親は自然と口にしていた
その学校の名前は、
私たち親の会話の中で
よく出てくるようになりました。
進学先の話題。
将来のことを考えるとき。
そうした中で、
私たちは
自然とその学校の名前を
口にしていたのだと思います。
ある時期から、
長男の口からその学校の名前を聞くようになりました。
親が話していた学校を、子どもが覚えていた
長男は、
学校の情報を自分で調べていたわけではありません。
学校案内を読み込んでいたわけでもない。
それでも、一度行ったことがあり、
家で話題に出る学校の名前は、
しっかり覚えていたようです。
「いい学校なんでしょ」
そんな言い方でした。
理由は、とても素朴なものだった
なぜその学校の名前を
出すようになったのか。
あとから聞いてみると、
理由は
とてもシンプルでした。
家でよく名前を聞いていたから
模試で行ったことがあり、校舎の雰囲気がなんかよかったから。
友達からその学校の名前を聞いたから。
それらが重なって、
「ここを目標にする、
という感じなのかな」
と思ったそうです。
子どもは、数字では見ていなかった
長男は、
たぶんその頃、偏差値の意味はあいまいにしかわかっていなかったと思います。
どのくらい難しいのか。
どのくらいの位置なのか。
それは前提にない。
それでも、
「悪い学校ではなさそう」
「行けたら、いいかもしれない」
そんな
ぼんやりとしたイメージが、
本人の中で
形になり始めていたようでした。
親とは違う理由で、目標になっていた
いま振り返ると、
私たち親が
その学校を意識していた理由と、
長男が
その学校の名前を出すようになった理由は、
少し違っていたように思います。
親は、
情報や数字、将来の見通しを
頭に置いていた。
一方で、
長男は、
身近な会話や耳にした評判、
実際に行ったことのある場所、
そうした感覚から「いいところ」と受け取っていた。
同じ学校でも、見ているものは違っていました。
まとめに代えて
長男が
学校の名前を
自分から言うようになったことで、
その学校は私たち家族にとって
「親が考えている選択肢」から
「共有され始めた目標」へと
少しだけ位置づけが変わりました。
ただ、
この時点でも、
何かを決めたわけではありません。
親と子が、
同じ名前を同じ重さで
見ていたわけでもない。
それでも、
進学先について考える土台が、
少しずつ共有され始めていた。
そんな時期だったように思います。
次の記事では、
この学校について
親である私たちが
どんな期待を抱いていたのか。
子どもには
そのまま伝えていなかった
親の本音について
書いていきます。

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